月組公演『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』を観ました

月組公演『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』を観ました。宝塚をふんわり見始めて5年ほど経つのですが、初めてレビューの感想書きます。

というのも大体いつも贔屓がかっこよすぎたことしか覚えてないんよな……詳細な記憶が皆無……。ただ今回は、それぞれマイペースなひとりっこ男役123率いる今の月組が内に秘めた静かな熱を爆発させるエネルギッシュなラテンショーがめちゃくちゃ楽しくて、これは感想を残さねば!となったので、必死に記憶を辿ってみようと思います。

ラテンで!過去のショーとは一味違う!でも、今の月組に合うものを!と演出家が考えると、"深海でカーニバルが開かれていたら……"というトンデモ設定が生まれるんだからすごいよ、稲葉先生。

オタクの視線はいつも贔屓!ということで、ここからは鳳月杏さんを中心とした感想を書き綴っていきたいと思います。全場書いたので、気になるとこだけ読んでください。無駄に長い。MUSICAのアルバムライナーノーツくらいある。

 

S1 Dive〜S2 Prologue 海神たちのカルナバル

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デコラティブな曲線に彩られた舞台美術と散りばめられた真珠のライト。スクリーンには波の揺らぎが映し出され、波音が響く。舞台中央に浮かぶ満月は開演時間が近づくにつれて欠けていき、チェシャ猫の口のような三日月になったところでショーがスタート。今回、惜しまれながら退団する光月組長の心地よい語りと共に下級生たちが登場すると月城さんの大変良いお声の「DIVE!」を合図に深海ショーの始まり始まり。

からの、チョンパの幕開き!出、出〜!!!月組男役口紅ピンク奴!!!!!!!眩しくて目が潰れそう!!!!!えっ?ワーッ!!!!お衣装がダサい!!!!!!!!!

ここまで一息って感じ。いや、一発目の感想がこれですいません。重たいと噂の総スパンコールのお衣装は動くとわっさわっさ音鳴っててガチ質量を感じます。深海設定と言いながらお衣装の色合いが全部熱帯魚なんよ。もしくは南国の鳥。色味が本当にやばい。

でも……なんか……3回目?くらいから完全に克服しました。ていうか病みつき?宝塚なんだから普通じゃダメ。このくらいパンチ効いてるのがいい。スパンコールなんかなんぼあってもいいですからね。

その点、Deep Seaにはスパンコールもソフト帽も女装も鉢巻も全部あるし、稲葉先生、さては宝塚大好きだな(当たり前体操)

そして、男役の開襟が深い。首筋のうつくしさよ!オペラしたい欲と手拍子頑張りたい欲でいつも揺れ動いています。でも、できたらショー1本につきサルエルは1回までにするってオタクと約束してくれませんか?後生です。

ここはなにより、チョンパの幕開きが良いですね!トップスターを中心として、銀橋にズラッと並んだ線対称の光景、いつ見ても本当に景気が良くて大好き。そこに並んだ退団者の皆さんが本当に幸せそうに客席を見ている姿にいつも泣きそうになってしまいます。

先ほど触れた月のセットがほぼ新月に近い三日月から始まるということはわたしたち観客は大潮の中、深海に飛び込んだイメージなのでしょうか。大潮の日は潮の流れが速く、大量の海水が入れ替わることでプランクトンの量が増えて魚が釣れると言われています。目50個欲しいくらい忙しい総踊りはその潮回りの中で組子が縦横無尽に泳ぎ回ってるみたいに思えますね。

てか、なんか出てくる人出てくる人みんなマジで歌が上手くない?歌唱力でバチボコ殴られる。贔屓に至っては歌い上げる声デカすぎていつもちょっと面白くなってしまいます。楽しいねキャッキャ。

もちろん、光月組長・白雪副組長のムーディーな大人のデュエットもたまらない!なんて艶やかな歌声。この公演で退団される我らが光月組長。るうさんが月組からいなくなる日を想像したことがなかったので、未だに信じられないのですが、日々の晴れやかな笑顔を見ると、きっと本当に充実した時間を過ごしていらっしゃるのだろうと感じます。個人的には、タカラジェンヌが「楽しかった!」と言って卒業してくれることが一番嬉しい言葉なので、ムラの千秋楽のご挨拶に強く胸を打たれました。管理職として一歩引いて活躍していく選択肢もあったのでしょうが、いつでも最前線で全力で舞台を楽しみ続けるるうさんの姿が今の月組の素敵な雰囲気を作り、同時にたくさんの下級生の憧れになっている。そんなところも本当にかっこいいです。

 

S3A Cool Lady(踊るマーメイド)

そうこうしてたら、現れましたわ、吟遊詩人。歴代脚長ジェンヌが着用した高貴な紫のお衣装を纏って、銀橋を渡って行かれる鳳月さんのお姿に息を飲みます。きらっきらの紫と青のシャドウ、ピンクのルージュがキッチュ。ちなつさんって、きっちり着込むほどに色香が増すの不思議ですよね。

そして、こちらの場面は「ちょっと気の強いあなた」という歌詞と共に銀橋センターにて前方席のお客様へそのうつくしい手を差し伸べる振付となっております。皆さん、劇場のAEDの位置は確認済みでしょうか?心臓の弱い方はくれぐれもご注意ください。釣られた方がめちゃくちゃ動揺してるのがいつも伝わってきてハオ。

そんで、わたしも気の強いあなた席座りたーい!とか言ってたら、貸切で座ってた二階席センターにモロに飛んで来て、衝撃から身を守ろうと胸の前で手組んだ。防御本能。最悪の場合、死に至る。今回のショーは全体的に盛り盛りに観客を釣るところが多く、稲葉先生に足向けて寝れません。ありがとうありがとう。

 

S3B Cool Lady(踊るマーメイド)

クールな男女が集うクラブ。吟遊詩人からお着替えして、バッチバチにイケ散らかしたちなつさんが髪の毛撫でつけながら登場するのえぐっっっっ。センター分けかっこよすぎ有罪。何、あの自信に満ち溢れた挑発的な視線。観客をときめきで殺す気なの?顔がカッコ良すぎて気絶しそう。あと、脚がすごく長い。贔屓の脚の長さに新鮮にビビりすぎて語彙力消失する。気持ちを落ち着けるためにとりあえず舞台写真は四つ切り買いました。

ちなみにこのお着替えタイムは宝塚界のできジュこと102期男役、瑠皇りあ、るおりあくんがお手伝いしてくれています。るおりあへ いつもちなつさんのシャツの襟を綺麗綺麗してくれてありがとうございます。細かいポイントなのですが、このお着替えタイムでちなつさんがターバンを取った髪を固めるように手で押さえつけてるのすごい好き。形状記憶ってコト?しかし、Deep Sea誰も彼も金髪率高くて有難い。オタク、ジェンヌの派手髪大好き。ラテンショー永遠にやってくれ。

さて、このちなうみはお互いが培ってきた技術がぴったりと噛み合った安定感のあるダンスを見せつけてくれて、見ていてとても気持ちいいですね。出島に続き、娘役が綺麗に見えるちなつさんの男役の技術が、男役が素敵に見えるうみちゃんの娘役の技術がこれでもかと詰め込まれている。二人とも、どう組めば自分も相手もうつくしく見えるのかを理解していて、それをイメージと違わず表現できるんだろうなぁ。変わりリフトも良い。

個人的に男女のバチバチ煽り合いみたいなのが好きなので、月娘の強さが活きる男役・娘役のパワーが拮抗した場面の作り方もとても好きです。ラスト、月城さんにみんなの視線を奪われた鳳月さんが口パクで怒ってたり、ぷんぷん😡しながら帰っていくのもかわいい。

ちなみに、この場面、ちなつさんの同期の蘭乃はなさんがムラ千秋楽の配信を見ながら「銀橋で歌詞忘れたのをマイクトラブルで音入ってない風に見せかけるために口パクで誤魔化した瀬奈じゅんさんの真似じゃん!」って言ってててクソウケましたタカラジェンヌ破天荒エピソード

今回で退団されるちなつさんの同期、千海華蘭さんがメインで歌ってたり、上手で朝霧さんががっちを構ってたり、見たい人だらけの場面なのですが、わたしの目、常に贔屓ロックオンしてるから周りの様子がうかがい知れなくて……。みんなのおすすめ場面も教えてね。なんとか存在を感じようとするから。

 

S4 Passion Guy(海神の戯れ)

せーの!俺たち!結愛かれん大好き芸人です!!!!!

月組きっての生粋のダンサー。コケティッシュな魅力をこれでもかと発揮し、オタクに好きな月娘を聞いたら絶対に名前が挙がるであろう102期娘役、結愛かれんちゃん。おれたちのゆーゆが辞めちまう、、、、、と爆鬱BAD入った集合日以降、寂しい気持ちでいっぱいなのですが、ゆーゆはムラの初日から本当ずっとしあわせそうで、この真珠の場面でも信じられないくらい輝いています。うーちゃんに彩音、蘭くんと大好きな男役さんたちに浮気したい気持ちをグッと抑えて、ここはゆーゆ定点オペラ。骨スト大勝利お衣装がまたそのセクシーな魅力を掻き立てている。幕開きのお衣装のわっさわっさもですが、銀橋を渡ってくる真珠ちゃんたちのお衣装もかなりじゃらじゃら音してますよね。

ゆーゆのダンスはいつでも身体の使い方がダイナミックかつパワフルでかっこいい。あと、なによりあの甘い笑顔!笑うとお口がハートの形になるのもたまらない。ゆーゆはわたしに向かって微笑んでくれてるの😡💢と厄介オタク人格が目覚めそうになるくらい、どこの席でも目が合っている気がします。

元からお綺麗ですが、ゆーゆも蘭世ちゃんもどうにも眩しくって、退団者ってどうしてあんなに綺麗なんでしょうか。内側から発光するような幸福感に包まれていて、見るとかなりの確率で泣いてしまう。

そして、稲葉先生がグランドホテルの新人公演を意識して、おだちんとゆーゆを組ませたという憎い演出にも涙。毎回、二人が本当に楽しそうで、幸せな気持ちになります。ムラの終盤はお互いいちいちキスしたり、いちゃいちゃし倒してて、わたしの理想の男女カプここにあったんだ……!と興奮でオペラグラスを曇らせたりしていました。

しかし、風間さんのガヤはうるせぇ!(褒めています)笑わせようとかじゃなくて、本人は常に本気でやってそうなところがめちゃくちゃおもろいんよな。

あと、れいこちゃんがずっと月城おぢさんの顔してて大好きです。れいこちゃんって、言わずもがな端正な美形できらっきらしたお顔じゃないですか?なのに、なんであんなおもしろいの?じゃんけんに負けていじいじ床でベソかいてるとこ、少し情けなさのある、どこか母性くすぐる感じがしてめっちゃ癖なんだが。男の弱さ?を出すのが上手い気がする。毎回クゥーッ!て膝打つ。

 

S5 Deep Moon(月夜の夢)

ぱるあみじゅりのかわちいかわちいコミカル導入から、男役場面、総踊りへ続く。もしかして、ちなつさんってスーツ着て生まれてこられたんですか?朱赤のスーツにハットのお衣装があまりに似合いすぎている。ていうか、脚が長すぎて顔が見えていない状態でもちなつさんだって分かるのすごくない?早く全身アクスタください。

月組の群舞は、全体が揃いつつ、生徒ひとりひとりの個性もあるのが素敵なところだと思います。銀橋に男役がズラッと並ぶ光景は圧巻。これこれー!アドレナリンがバチバチに出る!ちなみにわたしのおすすめ下級生は上手の銀橋の付け根でイケ散らかしている月乃だい亜くんです。芝居心のある面白い男役さんなのですが、手脚が長くて、ツイパっぽい髪型も最高。にこにこ笑顔がちょうかわいい。ぜひご注目ください。

最高の中詰で、銀橋も本舞台も余す所なく見たいのになんでわたしの目は2個しかないの?暴動起こしそう。全てがいいけど、やっぱり特に退団者フューチャーが熱いです。あちゃちゃんが本舞台の真ん中で、男役たちを従えてお姫様やってるのカッコ良すぎる。あちゃちゃんがバレンタインデーに「私の男になってくれて有難う」ってあの場面に出てる男役全員に一輪の薔薇渡した話、永遠に語り継ぎたい。全員を相手役と思って踊るってなんて素敵な心意気なんだろう。ぎりさんとみかこのデュエダンも本当に好き。互いの長身を活かしたダイナミックさと優美なゆめゆめしさがあって素敵なんですよね。ムラの折り返し地点くらいに観劇したとき、退団者が全員あまりにキラキラしてて号泣かましたのが俺。普通に嗚咽止まらんくてビビった。

また、ここで触れたいのが風間柚乃さん。おだちん、どう考えても存在がラテンなんよ。銀橋でねっっっとりとしたウィンクキメていくとことか、歌い継ぎで馬鹿ほど舌巻くところとか、風間さんのこういう男役になりたいんだ!って気持ちが伝わってきてアガり散らかす。なんかちょっと瀬奈じゅんさんの面影が見える不思議。

そもそも、おだちんがなんでもできる芸達者であることは周知の事実なのだけど、応天でこれまで以上にまたひとつギアが入ったお芝居を見せつけた後にこの熱い熱いショーなのがまた良い。この人ってまだまだこんなに成長する伸び代があるんだと感動させられる。この後、秘密の花園の場面でもファルセットすごすぎて度肝抜かれるし、以前、ちなつさんが風間さんに「自分の可能性を決めつけないで」とお声がけされたというインタビューがありましたが、今だって死ぬほど上手いけどもっともっと色んなことができるんだって眩い夢を見せてくれる。

そして、おだちんは客席を見る余裕がある男なので(100期って本当?)、とにかくガンガン観客を釣ってくれるのも最高。上手花道付近に座る予定がある方は、ぜひ風間さんが中詰の銀橋を渡り切って、うみちゃんとバトンタッチするところを花道捌け終わるまでジッと見つめてください。毎回捌け終わる寸前まで客席を釣っています。というか、ムラ序盤は普通にウィンクしたりしていたのですが、終盤になって客席にうみちゃんとの絡みの感想を伝えてきたり、ただの会話になってきました。客席とのコミュニケーションが直通すぎるんよ。おもろジェンヌ、風間さん。

ひとつ難点としましては、このときちょうどちなつさんが本舞台でイケ散らかしてるからなかなか見れんのよね、、、、、、苦渋の選択、、、、、、来世は百目鬼になろう、、、、、

 

S6 Groovy Grove(眠れぬ夜)

目が100個欲しいでお馴染みといえば、礼華はるさん・彩海せらさんのぱるあみを中心とした若手場面。この後のれこちなおだの秘密の花園おめかしタイムのため、尺長めでご用意くださって大変有り難い限りです。稲葉先生が全組制覇したいと思っているらしい若手場面、もうね、ほんと泣いちゃうの。毎公演毎公演どんどん良くなって怖いくらい。若さ溢れるパッション!毎日毎公演が成長期!ムラで死ぬほど見たのに東宝初日の瑞々しい熱があまりにすごすぎて普通に号泣した。魂がキラキラ輝いとるんや。

稲葉先生の演出がまるきりFire Feverやん!という声もありますが、わたしは今の月組の若手でこういう場面を見たかったからすっごい大好き!こんなに踊れる下級生がいるんだぞ!って見せつけてくれるの感謝すぎる。月組ってショーでありながらも組全体の芝居心が前に出ることが多い印象で、芸名の彼女たちが全面に出るのは新鮮に感じる。

その中で、メインになるぱるくんはフレッシュさだけでなく、そのパッションを見せつけるダンスがとっても素敵。ムラで客席から拍手入ったときにめちゃくちゃテンションアゲアゲで掛け声してて可愛かった〜!感情がこんなに乗るタイプなんだという発見がありました。

あみちゃんは、ソロパートで背中向けて、肩で取るリズムが気持ち良すぎて一緒に踊り出しそう。観ている人の身体が動き出しそうな、そういう追体験をさせる力強さがあるダンス。キラッキラの笑顔の中に望海さんが垣間見えるのにもまたときめきます。

そんでもって、るおりあ〜〜〜!!!そもそも今回の公演、客席で「るおりあ!」って声を聞くことがものすごく多くて!元から輝いていたけれど、その存在感が増しているのを感じています。ギャツビーの少年時代や吉祥丸など、確かな演技力と歌唱力を兼ね揃えた男役さんですが、ショースターとして華のあるダンスもたまんないよね。俺を見ろ!という押し出しの強いキメッキメな男役姿が楽しめて最高。ちょっと悩ましい色香もあって、目が離せません。こありちゃん様と組んで踊る姿は手練れ同士キレッキレでもっともっと見たいと思わされる。

106期男役、涼宮蘭奈さん。こいつぁ、将来悪い男になるぞ!踊ってるときの表情管理がめちゃいい。爆踊りしながらこんな挑発的に客席を見れるもんなのか?舞浜ではきゅるんきゅるんとした下級生!ってイメージだったのですが、とにかくダンスが好きで好きでたまらないって顔で踊ってて釘付けになってしまう。もっと観たいと思わせてくれるパワーがあります。

107期男役、天つ風朱李さんことしゅりんぷくん!スタイルの良さ、ダンスのキレ、娘役さんと組んだときの表情がとても素敵。美少女と美少年の狭間にあるような今のかっこよさ、とても貴重な時期ですね。フレッシュさの中に少し翳のある雰囲気を感じさせるのもまた良い。

娘役さんもほんと全員キレッキレでかっこよくて月組の未来明るい。八重ひめかちゃんみたいな最下までいるの信じられん。リフト乗るのも全員上手すぎる。

そんな中、個人的MVPは、菜々野ありさん!こありちゃん様〜!!!!!抱いて〜!!!!!!!!となってしまうくらいのこあり無双を見せつけてくれる。小柄な身体ながらパワフルかつキレのあるダンスに釘付け。ぱるあみの後に飛び出してくるこありちゃんかっこよすぎて、いつもめろめろになってしまう。存在の大きさが半端ない。リフト乗るのも重力を感じさせない身のこなし。ラスト、センターでバッキバキに踊るのもたまりません。こありちゃんが世界をその手にしている覇権覇権覇権!これぞ月娘!というつよつよDNAを感じました。

あと、若手場面番外編(?)として、ムラで1週間だけ入っていた推しの話させてください😭みなさんご存知かもしれませんが、月組105期には静音ほたるちゃんという大変歌うまで丹精なお顔立ちのめちゃくちゃめちゃくちゃかわいい娘役さんがいるんです。

Full Swing!のかわいすぎる猫ちゃんロケット姿にハートを撃ち抜かれて以来、わたしが常にその姿を探しているほたるちゃんがムラの序盤ショーを休演したおはねちゃんの代役で1週間だけ若手場面に入りまして🥲

見つけた瞬間、声出た。あの激しいダンスの場面でおはねちゃんの代役。相当プレッシャーも大きくて大変だっただろうけど、一日一日良くなっていく姿、その頑張りに涙出ました。ロマ劇でも娘役群舞に入っていたので、歌だけでなく何でも頑張れる娘役さんだと思っていましたが、本当にうれしくて。とても貴重な経験になったと思いますので、オタクはほたるちゃんの今後のご活躍も楽しみにしています(手紙?)

ちなみに、応天では業平様の入待ち場面で、あの小柄な身体のどこからと思うくらいパワフルで芯のある歌声を披露されていますので、ぜひ皆様ご注目ください。劇場ブチ抜いとる。あと、わたしもどうにか本舞台からあの業平様のお手振り見たい。あれちゃんと優しく微笑んでるのズルくない?業平様、人たらしすぎて気が狂っちまうよ。もしかして当て書き?

 

S7 Sanctuary(秘密の花園)

ねぇ!!!オタクの命弄んで楽しいですか?!!!!!!!!!

ファンの方が見たいものを…と考えて、女装の鳳月さんと月城さんをデュエダンさせる稲葉くんオタク解像度高すぎ。

何を隠そう拙者、鳳月杏さんの女装大好き侍候!!!!!言わずもがな、CASANOVAコンデュルメル夫人、Melodia、Santé、Delight Holiday、エテルニタ……と数多のスターさんと女役として組んできたちなつさんがついにれいこちゃんと!前情報なしで臨んだ初日、プログラム読んで贔屓の女装あることに気付いて客席でガタガタ震えました。

そして、幕が上がれば、その想像を超える素晴らしさに息するのを忘れてしまったくらい。熱を帯びた悩ましげな視線、しなやかな身体の使い方、指先の表情の巧みさ、そこに男役だからこその押し出しの強さと妖艶さが醸し出され、どこまでも観客を魅了するその素晴らしさといったら!ちなつさんの豊かな表現力をとことん感じる場面です。

いつものことながら新鮮に驚くその身体のうつくしさよ!こんな細い身体でいつも同じ女性をあんなにしっかりリフトしてるなんて信じられない。深いスリットから覗く長い長い脚は、信じられないくらい真っ直ぐで。ぱっくり開いたバックスタイルからは鍛え上げられた背中がのぞく。悩ましさに磨きをかける首筋と顎の綺麗なラインも最高。あのラインは背筋を鍛えているからこそ出るって石原さとみも言ってた。

ウィッグはボブとロングを組み合わせたあえてのアシンメトリー。観客からどう見えるか、観客が何を喜ぶかを基準にして考えたときに、わたしの背中が見たいだろって思われてるの大正解すぎて興奮しました。見たいに決まっとる。でも、綺麗すぎるから!男は見るの禁止にしてほしい!!!!贔屓が攫われてしまう!!!!!!!(オタクは情緒がガタガタです)

また、巷では、「地毛の花園」と呼ばれている、ノーウィッグ、地毛でのヘアセットも話題ですね。地毛が披露される度に、客席が無言で爆沸きしているのが分かる。ちなつさんとしては元々鬘を2プラン用意されていたところ、舞台稽古で一つがボツになったそうで……(お蔵入りしたのはロングのソバージュのようなウィッグで、見ていた先生に令嬢みたいと称されたとのこと)こちらはいつでも披露してくれてかまへん。

ちなみにムラの地下の花園は、2/11(土)15時半 阪急貸切、2/18(土)11時、2/23(木・祝)15時半 ローチケ貸切、2/27(月)13時、3/4(土)11時、15時半 加美乃素貸切でした。

わたしも運良く何度か遭遇したのですが、そのうつくしさはもちろん、ウィッグというわかりやすい視覚的な要素に頼らなくても、あんなにも女性性を表現できることに感動しました。後頭部の丸いフォルムも天才的。マジでちなつさんって綺麗なお姉さんなんだよな……。

あと、地毛はその後のマントルとのギャップで普通に頭がバグる。どちら地毛なのに全く違う人なんだもん。ただでさえ、男役の女装ってだけで頭バグるのに罪深いんよ。初見の非ヅカオタ友人も男役の女装に初めて触れてバグってた

🧸🎀 on Twitter: "秘密の花園で初めて男役の女装という概念に触れた非ヅカオタの友人が「さっきまでイケ散らかしてた人が突然お姉さんになって、そこからもう何もわからなくなってしまった……それしか覚えてない……」って言っててよかった" / Twitter

 

S8A Mantle Parade(祈りの灯)〜S8B Mantle Energy(噴き上げる魂)

うお〜〜〜〜〜!!!!土着〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!

太鼓の音ってシンプルにアガるんだよね。ドコドコするほどに燃えるし、プリミティブな感情が湧き上がってくるのは何故なのだろう。この場面は下手から飛び出してきたちなつさんがその長い腕を天高く伸ばして引き下げる振りが異常に好きです。さっきまでめちゃくちゃ妖艶な美女だったのにこの数十秒で何が起こったんだ?

組子全員の熱いエネルギーをこれでもかと感じる場面。ここでも退団者がみんなキレッキレで、辞めるの辞めて😭って毎回思ってる。晴れやかな笑顔は彼女たちが自らの宝塚人生をやり切ったからこそ見られるものなんだろうなぁ。

 

S9 Mantle Rockets(祭りのあと)

そうして、プリミティブなリズムに感情を揺さぶられたマントルとは対照的に、静かな夜明けのような空気感で想像力を掻き立てる祭りの終わりに続きます。ここのちなつさんはとても切な気で、それでいて淡い喜びも垣間見えるような、物語を感じさせる表情をされていて、ただ立っているだけなのにドラマを見ているみたい。月組の芝居心はこういうところにも息づくからたまんないね。

祭りが終わるということは、次のまた新しい祭りが始まるということだと解釈していて、それがこのショーでは、限りある今を生き切るとんでもないエネルギーと輝きを帯びた退団者の場面からこれからの期待に満ちた瑞々しいロケットに続くところへマッチしているように思えてめちゃくちゃ好きです。

というのも、わたしは宝塚を見ているとそこに永遠を見てしまうんですよね。もちろん、生徒ひとりひとりは絶対に終わりがある有限の存在だけど、その輝きは宝塚の中で下級生たちに受け継がれていくじゃないですか。今、風間さんを見て麻子さんを、あみちゃんを見て望海さんを感じるように、その刹那性と永遠の循環が常にそこにある。憧れとリスペクトが存在を繋ぐ、その無限の循環のうつくしさをこの場面に感じます。稲葉先生の宝塚愛を見せつけられる。だから、お衣装だけどうにかしてください。

月組の未来は明るい!シンプルにそう思わせてくれるロケット。男役ピックアップでは大注目の107期男役、一輝翔琉くんが目を引きます。抜群のスタイルに圧倒的華。わか様のスター性凄まじい。新人公演では声質の良さも感じさせ、これからがとてもとても楽しみな男役さんです。

 

S10A Finale A〜S10B Finale B

べサメからの男役群舞からのシポネ!まず、大階段の上で待機したちなつさんがクールに見える三白眼で客席を真っ直ぐ見つめたかと思うとふっと薄く微笑むところが本当に大好きで血が沸騰する。お顔はもちろん、そこに添えた手の表情がどこまでもかっこいい。存在するだけで周りの空気ごと世界を作るみたいな表現を何て褒めそやしたらいいのかわからん。銀橋に並んだちなからんが二人で作るVの字うつくしすぎてわたしがゼウスなら速攻で星座にしてたね。最後まで爆踊りでキラッキラの笑顔が眩しい。ちなつさんが舞台の中心で組子のパワーを浴びながら歌い踊る姿、何回見ても感動する。ところで、サルエルなのに脚めちゃ長いのなんでなん?なんらかのマジック?

 

S11 Tango

れこうみの芝居心が活きた大人で落ち着いた味わい深いデュエダン。これ見る度にれこうみが組んでくれてよかったな〜!と思うほど、二人の強い信頼関係が伝わってきます。黒のお衣装もかっけー!

しっかし、うみちゃんのダンスってしみじみかっこいいよね。シュババババ!という音が聞こえそうなくらい華麗に舞い踊るうみちゃんの柔軟性とそれを支える筋肉、体幹。人間って銀橋の上であんな動きができるものなのか。かわいいだけが娘役じゃない、この学年だからこその熟練の娘役芸を見せつけてくれるの有難いです。

 

S12 Grand Parade

Deep Seaの感想に欠かせないのが宝塚史上初の週替わりエトワール。五者五様に素晴らしく、甲乙つけ難い素晴らしい歌唱を聴かせてくれています。力強く芯の通った桃ちゃんに、堂々とした安定感があるるりあちゃん、芳醇な魅力を醸し出すりりちゃん、もはや余裕すら感じさせるおはねちゃん。個人的にはいちごちゃんのエトがめちゃ好き!東宝は良い意味で肩の力が抜けて、その声の良さが全面に出ていた。

しかも、今回のエトメンバーだけでなく、まだまだ歌える子がいっぱいいる月組強すぎじゃん!(いつも思うんだけど、宝塚のプログラムってどのタイミングで入稿してるんだろう…お稽古中の構成変更反映させるには極道入稿しかないのでは……)

 

Deep Seaは今の月組のいいところがたっぷり詰まった最高のショーでした!あの子もこの子もこんなこともあんなこともできるんだ!という楽しさに満ち溢れて、全員がキラッキラに輝いている。韓国にはさざ波に揺れる水面に太陽や月の光が反射してキラキラする光のことを指す言葉があるらしいと聞いてから、Deep Seaの舞台に立つタカラジェンヌから発せられる輝きを一言で言い表す言葉もあればいいのにと思ったりしていました。

どなたもその輝きを余す所なく発揮し、悔いなく大千秋楽まで駆け抜けられますように!そして、もしもまだその輝きをご覧になっていない方は、ぜひ劇場に足をお運びください。

では、また!