陳情令にハマったヅカオタが中国ミュージカルサバイバル番組「#爱乐之都」第3話を観ました

皆様、こんばんは。GWをいかがお過ごしでしょうか?
わたしはやばい男と男が見られるらしい韓国ドラマ『怪物』を見ようと思い、アマプラに入りました。

 

けど、その前に爱乐之都3話ですわよ!
(↓公式チャンネルから無料で見られます)

www.youtube.com

 

▶3話のラインナップはこちら!
①『蝶』より「新娘+诗句」
鞠红川&喻越越

www.youtube.com

 

②『ロックオペラ モーツァルト』より「死んでしまえば」
刘乙萱&冯镝霏

www.youtube.com

 

③『ディア・エヴァン・ハンセン』より「You will be found」
曹杨&李钦&严中杰&陈恬

www.youtube.com

 

④『ウィキッド』より「あなたを忘れない
李炜铃&朱芾

www.youtube.com


(以下、英語字幕で視聴した感想ですがわたしの語学力的に分かってないこともあると思うので、間違いなどありましたらご教示いただきたいです)

 

あのね、喻越越さんの声が良すぎるとか、またカイロ取り忘れてる人おるんのほんまおもろいとか、宝塚版のロクモってお衣装全然違うんやとか、ウィキッド最高のシスターフッドとかとかとか色々あるんですけど……


とにかくディア・エヴァン・ハンセン組がめちゃくちゃよかった!!!!!!!!


たった一場面なのに見てておいおい泣いちゃった。「どうすればこの4人のメンバーでこの作品のテーマを一番良く伝えられるか?」という真摯な問いを感じた。ただ脚本を再現しているわけではなく、原作に込められたテーマを描くために、今、この四人で演じる意味をちゃんと持たせていた。

発表の前に阿云嘎さんから説明があったように、『ディア・エヴァン・ハンセン』はSNSの普及した現代社会の若者を題材にしています。

この物語の主人公は、友達もなく、家族にも心を開けずにいるティーンエイジャーであるエヴァン・ハンセン。彼は社交不安障害のセラピーの一環として自分に向けての手紙を書いているんですね。“Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)”から始まる、誰にも見られたくない「心の声」が書かれたその手紙を、ある日、同級生のコナーに奪われてしまいます。

そして、後日、そのコナーが自ら命を絶ったという予想だにしないことを知らされる。また、運の悪いことにその非常にナイーヴな内容の手紙を見つけたコナーの両親は、息子とエヴァンが親友だと思い込んでしまいます。息子を亡くした彼らをこれ以上苦しめたくないエヴァンは、思わず話を合わせてしまう。

思いやりから生まれたその嘘はどんどん大きくなっていき、ついにエヴァンは自分自身の孤独感とコナーとの友情について感動的なスピーチを行うことになります(ちなみに社交不安障害患者が強い不安を感じる場面として最も多いのが「見知らぬ人や少し顔見知りの人との会話」と「人前での発言・スピーチ」だそうです)

そんな、彼の抱える不安の象徴ともいえるスピーチの場面で、その不安から解き放たれるように歌われるのが今回の曲、"You Will Be Found"。瞬時に膨大な情報が溢れる現代社会のように、たくさんの人が行き交う群集の場面から始まる舞台には、誰もいない状態で感じる孤独と違った辛さがありました。こんなにもたくさんの人がいるのに、それでも一人だと感じること。彼が抱えているのは、むしろ、たくさんの人がいるからこそ感じる孤独なんだっていうのがはっきりと伝わってきた。

また、"You Will Be Found"はもともとソロ曲として作られていますが、4人グループで歌うにあたり、エヴァンの感じている孤独や社会への不安を、キャップ、ヘッドホン、メガネ、スカーフといった、4人の演者が身に着ける持ち物それぞれをアイコンにして振り分けています。
この演出が抜群に効いている!自分の存在を社会や他者から遮断したり、隠したり、異なる姿に見せられるグッズは、彼の社会に対する不安や恐怖、怯えを端的に象徴することができます。アイデアとしてはインサイド・ヘッドとか脳内ポイズンベリーに似てるって言えばいいのかな。とにかくすごくよくできたアダプテーション!!!

そんなエヴァンのスピーチの映像はSNSを通じて急速に世界中に拡散されていく。(発表では中国の様々な地域からメッセージが寄せられる演出になっていました)共感、感謝の言葉が信じられない速さで大量に押し寄せる。

その瞬間、先ほどまで孤独を表していた演出が逆転する。大衆の中で孤独を感じていた彼/彼女自身がこの世界の何処かに存在する誰かであり、あなたであり、わたしであるという感覚に変わっていく。鳥肌が立った。

もちろん、ここで語られる物語は全部「嘘」で、それ自体は褒められたことではありません。けれど、裏返せば、こんなにも誰かと「簡単に」「いつでも」繋がれる社会の中で、多くの人がそれでも孤独であり、救いを求めているということではないでしょうか。だからこそ、エヴァンの(自分自身の悩みに重ねた)切実な言葉が届いてしまった。

"You will be found、あなたの居場所が見つけられる、誰かが必ずそばにいる、あなたは一人じゃない"

正直、このメッセージってともすればめちゃくちゃ薄っぺらい綺麗事に感じられると思うんです。特にストーリー全体から離れて、一場面だけで見せるってなったら難しい。

それを物凄く真摯に伝えたのが演者の力ですよね。現代社会に非常にフィットした作品をフレッシュな最年少チームで演じるのがすごくすごく良かった。常時接続のZ世代、常に繋がっていることが当たり前の若者たちならではの孤独。4人がすごくよいチームになっていたからこそ、表現することができた。演者本人と役が曖昧になるくらい重なって、舞台の上で生きる姿を見せてくれた。

そして、曲が一番盛り上がったタイミングで、彼/彼女たちの社会への恐怖、孤独の象徴であるグッズを床に投げ捨てる。泣き笑いながらそれぞれの場所へ歩き出す。
もうもうもう!このカタルシスといったら!!!!悔しいくらい良い!!!!!!

「別に完璧でなくていい、この世界に自分が存在する価値がある」って心から信じさせてくれた。歌唱力だけではない、人の心を動かすものがある。これを見た人に明日生きていてもいいって思わせる。今、ここにしかない、素晴らしい発表を見せてもらいました。これが舞台を観る喜びよ……!観られてすごくしあわせでした。ありがとうございます。

 

てか、李钦くんって青你3出身なのか〜!かわいいねえ!改めて若手にとってこの番組ってすごく良い経験になるなあと思いました。毎日10時間稽古することより、一回舞台に立つことが大切ってロシアの名門バレエの先生もインタビューで言ってたし(最近見たものにすぐ影響を受けるオタク)


そして、次からはいよいよ第2ステージ!同じ役を演じるバトルは4Aの人から演目を選べるそうで、つまりは自分の得意な音域、声質、個性に合った曲を選べるってシステムなのね。あと対戦相手も。

審査員も変わるのかな?作曲家の先生?がちょこちょこ完全に孫見てる顔しててもえてたのにいないぽいの寂しいけど、次回も楽しみです!